A.少ない光の量で成長する野菜がLED室内栽培や植物工場に向いています。実績の多い順に例を挙げると、サニーレタス、リーフレタス、 ルッコラ、クレソン、 バジル、
ミツバ、 セリなどです。他には、 サラダ菜、 シソ、 芽ネギ、 ワラビ、フキ、ミョウガ、アスパラガス、パセリ、ニラ、ミント、レモンバーム、ショウガ、ハスイモ、ワサビ、 シュンギク、ハーブ類 などがあります。
一方LED栽培に向かない野菜は、成長にたくさんの光を要するもので、トマトやイネなどの実がつくもの、ジャガイモや大根などの根菜類が該当します。具体的には、
スイカ、メロン、トマト、 ダイコン、ニンジン、ゴボウ 小麦、イネ、 サツマイモ、 サトイモ、ヤマイモ、ナス、ピーマン、かぼちゃ、エンサイ、オクラ、トウモロコシ 、 キュウリ、 ササゲ、ショウガ、カブなどです。
【光補償点と光飽和点】育てたい野菜がLED栽培可能か判断する指標
育てたいやい野菜があって、LEDで栽培できるのか調べるには、その野菜の光補償点と光飽和点を確かめてください。光補償点とは、その野菜が成長するのに最低限必要な光の強さ(ルクス)です。例えばあなたが面積2平方メートル(畳1枚程度)の栽培室で全光束10000ルーメンのLEDライトを使っているとしたら、単位面積当たりのルーメン(ルクス)は10000/2=5000ルクスです。この栽培室では光補償点が5000ルクス以下の野菜を育てることができる、と判断します。レタスは光補償点が2000ルクスなので栽培可能ですね。
また、野菜が成長できる光の強さの限度も把握する必要があります。光補償点からある点までは光の強さに比例して成長が加速しますが、その点以上では成長量が増加しません。この点を光飽和点と言います。 光飽和点以上の光を与えると、吸収しきれずに余った光エネルギーが活性酸素を発生させて植物の細胞を傷つけてしまいます。 光が強すぎても野菜の成長に害を及ぼします。育成の際には光飽和点もチェックするほうがいいです。
ここで注意点。太陽の光の強さは10万ルクスです。大抵の野菜の光補償点はこの値以下なので、露地で育つ野菜は成長速度Maxの光の量を受けています。一方LEDの光の強さは例えばレタス工場なら5000ルクス程度で太陽の20分の1です。 イネは光補償点が1000ルクスと低いので室内で育てられそうな気がしますが、光飽和点が5万ルクスなので、室内栽培の5000ルクスでは光合成が1/10の速度でしか行われず、成長が非常に遅くなります。なので、栽培したい野菜の光補償点が低く、かつ光飽和点も高すぎない野菜を選ぶ必要があります。
以下に代表的な野菜の光補償点と光飽和点を表にしたので、栽培計画を立てる際に参考にしてください。
【代表的な野菜を網羅!】光補償点と光飽和点一覧
滋養強壮効果で最近話題の高麗人参は光飽和点が7000ルクスと低いから、LED栽培してみたくなりますね!
光補償点の低い順
野菜の名前 | 光補償点(ルクス) | 光飽和点(ルクス) |
モモ | 200 | 40000 |
ナシ | 300 | 40000 |
ブドウ | 300 | 48000 |
イネ | 1000 | 50000 |
小麦 | 1000 | 30000 |
ミツバ | 1000 | 30000 |
イチジク | 1000 | 40000 |
レタス | 1500 | 40000 |
カボチャ | 1500 | 45000 |
大豆 | 1500 | 25000 |
ショウガ | 1500 | 30000 |
トウガラシ | 1500 | 30000 |
ピーマン | 1500 | 35000 |
トウモロコシ | 1800 | 100000 |
キャベツ | 2000 | 40000 |
ハクサイ | 2000 | 40000 |
ナス | 2000 | 40000 |
イチゴ | 2000 | 25000 |
エンドウ | 2000 | 40000 |
フキ | 2000 | 20000 |
にんじん | 2500 | 40000 |
ネギ | 2500 | 25000 |
トマト | 3000 | 70000 |
メロン | 3000 | 55000 |
スイカ | 3500 | 80000 |
高麗人参 | 4000 | 7000 |
キュウリ | 5000 | 55000 |
オクラ | 15000 | 50000 |