【実在するハイテク自給自足村】食の50%を自給する農と住が一体化した”ReGen Village”

自給ラボでは食の生産と暮らしが一体化した世界を夢見ているが、それをほぼ実現した村がオランダのフレボランド州アルメレに存在する。2016年にアメリカ・カリフォルニア州出身の起業家 James Ehrlich がこの村の構想を現実化した。その村の名前はReGen Village。再生の村という意味を持つ。村内では人々が最新のテクノロジーを駆使して食料やエネルギーを自給し、生産と廃棄の循環システムを成立させている世界初の集落だ。(※100の小屋は立っているがトップ写真のような状況ではなくまだ開発段階)

http://www.regenvillages.com/

村には、100の住居があり、その近くにガラスハウス内に設置された垂直農業やアクアポニックス(魚と野菜を同時に育てる循環型農法)などの最先端設備がある。家畜の糞を肥料にした畑もある。この村のスペック&設備を列挙すると・・・

⓪アウトライン

  • 面積15550平米
  • 住居100棟
  • オランダ アムステルダム郊外のアルメレ に位置

①食の自給

  • アクアポニックスシステム
  • 家畜
  • 垂直水耕栽培装置
  • ガラス温室

②電気の自給

  • 太陽光パネル
  • バイオマス発電システム
  • 地熱発電
  • 風力発電

③ガスの自給

  • バイオガス生成装置(ガスの自給)

④水の自給

  • 貯水システム

⑤家畜飼料と肥料の自給

ミズアブ(便所バチ)の幼虫(ウジ虫)を使って家畜の肥料から魚の飼料と畑の肥料を生産。

⑦熱力学的にエコな住居

  • ヒートポンプ式給湯(ガス給湯の1/5の消費エネルギー)
  • 高度な断熱壁(外に熱が逃げないようにしてエアコンの稼働を極限まで抑える)

⓼産学連携による大学研究成果の自給へのフィードバック

  • 大学と連携して最新テクノロジーを自給につぎ込む仕組み
  • ちなみにこの村を作っているjamesさんの会社はスタンフォード大学発ベンチャー

これらはregen villageのビジョンでありすべてが実現しているわけではない。管理人はregen villageのメールマガジンを購読しているので今後進展があれば当サイトでも記事にまとめて皆さんに報告するつもりだ。

この村が考案された背景には世界の人口増加問題があり、2050年には世界人口が100万人に達するといわれる中、特に途上国での小集落型再生可能居住システムの需要拡大がある。食物やエネルギーを自給出来る住居のメリットとして、

①食とエネルギーは自給できることで生活費が少なく済み給与の大部分を返済に回せるため、 住宅ローンの支払いが軽減できる点、

②政治的状況に左右されずに食が手に入り家族の命と子孫繁栄が保証される点

が挙げられている。

管理人の個人的感想

①なんと完璧な村なんだろう。現時点での最新エコ技術がふんだんに使われている。管理人はぜひこの村に住んでみたい!と思った。

②自給ラボが目指すところと似ている。非常に興奮した。regen villageを企画立案したジェームスさんと話がしてみたい。


James Ehrlich 氏

 ③Jamesさんの会社が大学発ベンチャーで、産学連携で大学の研究成果が”自給自足”という人類最大のテーマに活用される仕組みが整っているのを見て、日本も見習うべきだと思った。日本はここ数十年の間ハイテク産業を優先し第一次産業や自給自足といった生存の最も根幹となる分野を軽視してきた。時代はずいぶん変わった。今一番必要なのは、農やエネルギーの分野を発展させる事だと思う。自給ラボは日本でその分野をリードしていく存在になりたい。室内植物工場・ウズラ工場の開発を皮切りに、自給ビルの建設、自給村の構築・・・・はては宇宙の都市までどんどんスケールしていきたいという想いに駆られた。