A. NO。水耕栽培が理由で水っぽい味になることはありません。
水耕栽培はその名前から連想するように”水で育てる”というイメージを持たれやすいです。水で育てるから土の味(露地野菜の濃い味)がしない、水っぽいんじゃないか!と思うのは当然です。しかし実際には水だけでは植物を育てることができません。栄養塩類という、窒素、リン、カリウム、マグネシウムなどが必要です。露地で育つ植物はこれらを土壌から雨水などの水分とともに吸収します。水耕栽培では野菜はこれらの塩類を溶かした水(液肥)から栄養を吸収します。野菜の味は日照環境と液肥料の成分で決まります。特に収穫3日前の液肥の成分は野菜の味にダイレクトに影響します。例えば液肥の窒素濃度を上げれば葉の色は青々とし、えぐみや苦味の強烈な野菜ができるし、窒素濃度を0に近い状態にすれば水っぽいけど苦くなくて食べやすい野菜ができます。つまり水耕栽培は栽培条件をコントロールすることで様々な味の野菜を作れる農法だ、とも言えます。それゆえ、水耕栽培だから水っぽい、というのは正しくないと言えるでしょう。
参考までに、栽培条件コントロールによる野菜の変化をご覧ください
①窒素濃度を収穫前に下げる→えぐみのない食べやすい野菜ができる
②赤色LEDだけで育てる→ビタミンC,Eが増加
③育成光の緑色成分を強める→茎がしっかりしてシャキシャキした野菜ができる
④ カリウム濃度を下げる→透析患者に嬉しい低カリウム野菜ができる
他にも、たくさんあります!